ここ「ママ喫茶ぽてこ」では、先輩ママたちのリアルな声をもとに保育園・幼稚園ガイドを作成しております。
すると、こちらのガイドをお読みいただいた読者さんから、次のようなご質問をいただきました。
保育園・幼稚園どちらにも子供を通わせている私から見ても、やっぱり働いているママは多いですね。
特に共働き世帯が増加しているためか、最近では「子供の預かり」という点でいうと保育園と幼稚園の差がなくなりつつあります。
そこで悩むのが「保育園と幼稚園どっちがおすすめなの?」ということ。
こちらの読者さんのお悩みにお答えする形で、保育園と幼稚園を比較していきたいと思います!(全2回)
- 第1回:保育料などの費用面で比較←今ココ
- 第2回:園の制度や手続きで比較
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幼児教育無償化が始まる前は、保育園の保育料は負担が大きかった
収入によって差はあるものの、幼児教育無償化が始まる前までは、総じて幼稚園よりも保育園の方が保育料の負担が大きいとされてきました。
ちなみに保活激戦区にお住まいのなおさん。なおさんの保活体験談はワーママたちに聞いた内定とるための保活戦略の記事でご紹介しています。
「幼児教育無償化」が開始!保育園と幼稚園、費用面で比較するとどっちがお得?
2019年10月より始まった幼児教育無償化ですが
実は保育園と幼稚園、どちらも同じような恩恵を受けられるワケではないのです!!
そこで「無償化」という視点から、保育園と幼稚園を比較していきましょう。
無償化対象時期で比較してみた
無償化の対象となる時期は、保育園と幼稚園で微妙に時期が違います。
保育園 | 3歳児クラスから(満3歳の4月から) |
---|---|
幼稚園 | 満3歳児クラスから(3歳になった月から) |
(※すべての幼稚園で満3歳児クラスがあるわけではありません)
つまり、同じ4月生まれだとしたらおよそ1年ほど差があるということ。
無償化の補助額を比較してみた
幼児教育無償化による保育料の補助金額は次のとおり。
認可保育園 | 保育料無料 |
---|---|
認可外保育園 | 月額3.7万円まで無料 |
幼稚園 | 月額2.57万円まで無料 |
これをもとに、毎月の実質的な自己負担額を計算してみると、こうなります↓(※3歳以上の場合)
認可保育園 | 食事代のみ |
---|---|
認可外保育園 | 保育料の自己負担額(3.7万円以内なら無料)+食事代 |
幼稚園 | 保育料の自己負担額(2.57万円以内なら無料)+食事代 |
このことからわかるとおり、幼稚園では無償化といっても上限があります。
幼稚園でも毎月の保育料が2.57万円以内でしたら保育園と同様な自己負担額になるものの、月2.57万円を超えるようなら保育園の方が自己負担は少ないと言えるでしょう。
ちなみに毎月の保育料が(無償化の上限である)月額2.57万円以下である場合、月額換算した入園金も合算した金額が無償化の対象となります。
例1:入園金6万円・毎月の保育料2万円の場合→毎月2.5万円が無償化の対象
(※入園金の月額換算:6万円÷12ヶ月=0.5万円)
例2:入園金6万円・毎月の保育料2.6万円の場合→毎月2.57万円が無償化の対象
参考資料:「幼児教育無償化の実施」(文部科学省)より
高所得世帯が選ぶなら?
高所得世帯の場合、収入が多い→税金額が多い→(税額によって区分が決まるので)高い金額の保育料区分が適用となります。(※ちなみに保育料の計算は世帯収入で計算します)
そうすると、無償化前までは収入(厳密には税額)に応じて保育料がアップする認可保育園より、保育料が一定である認可外保育園や幼稚園の方がお得というケースが見られました。
しかし、幼児教育無償化では所得制限が設けられていません。
つまり、保育料が完全に無償化される保育園の方が費用面だけでいうとお得といえるでしょう。
ただし、無償化による入園倍率アップは避けられないので、そもそも入園できるとは限らないんですけどね…
幼稚園の預かり保育には、「保育の必要性の認定」によって無料か有料か異なる
働こうかな?と考えているママにとって、気になるのが幼稚園の預かり保育。
実はこの預かり保育、保護者の働く時間によって無償化の対象か有料か分かれるのです!!
ちなみに「保育の必要性の認定」とは、保育の必要性があるかどうか?を証明するための制度なのですが(就労の他に出産や看護なども理由になります)
幼稚園児(3歳~5歳児)に関係する認定は次のようになります。
1号認定(専業主婦など) | 有料 |
---|---|
1号認定(労働時間が月48時間未満の方) | 有料 |
新2号認定(労働時間が月48時間以上の方) | 月1.13万円(1日450円)まで無料 |
※月48時間以上は、1日4時間以上×週3日以上が目安です。
補足メモ
新2号認定の「新」ってなによ…って思われた方もいるかもしれませんね(笑)
これは保育園を利用する場合の認定と分けるために、区別されています。
(参考)保育園を利用する場合の認定はこちら↓
- 2号認定:保育の必要がある3歳~5歳児
- 3号認定:保育の必要がある0歳~2歳児
「幼稚園と保育園、費用面で負担が軽いのはどっちだと思う?」聞いてみた
幼稚園には入園金があります。
先ほど説明したとおり、幼稚園の毎月の保育料が2.57万円以上となるなら入園金は完全自己負担。
その点、入園金がない認可保育園の方が費用の負担は軽いといえるでしょう。
ただ、その他実費となる
- 制服代
- 指定グッズ代
- 絵本代
- PTA会費(保護者会費)
などは、幼稚園に限らず保育園でも購入必須となる園も。意外と保育園でも自己負担となる費用には注意が必要です。
もし幼稚園にするなら【公立幼稚園vs私立幼稚園】どっちがおすすめ?
ここまでの話をまとめると、費用面でいうと認可保育園は最強という結果になりました。
ただ、幼稚園でも無償化によって保育料の負担が大幅に減るので、行かせたい幼稚園があるなら検討するべきだという声も聞かれましたね。
とここで、喫茶のメンバーたちからこのような疑問の声があがりました。
「公立幼稚園はどうなの?」
そこで、公立幼稚園についても検証してみました。
公立幼稚園の保育料の安さは、まさにケタ違い!?
確かに、公立幼稚園は保育料や入園金が安いのは事実。
実際にとあるメンバーの住む地域の公立幼稚園では、次のような金額だそうです。
- 入園金は3,000円
- 保育料は8,000円~14,500円
この他に実費分となる支払いがあるものの…
我が家が通っている私立幼稚園の入園金は8万円ほどだったので(※自治体からの補助があるので、実際の負担はもう少し安くなります)
私立幼稚園と比べてまさにケタ違い!
ただし、無償化の影響で私立幼稚園でも経済的な負担が少なくなったことから、わざわざ公立幼稚園を選ぶよりも私立幼稚園を選ぶ傾向は見られます。
(実際にとある地域の願書提出状況をネットで調べてみたところ、公立幼稚園はすべて定員割れしている状況でした…)
保育料が安いだけではない!公立幼稚園にはデメリットも
ただ、公立幼稚園にはいくつかのデメリットもありました。
- 無償化によって「保育料の安さ」というメリットを生かせない…!?
- 年少クラスがないところや預かり保育未実施の園も…
- そもそも近くに公立幼稚園が存在しない可能性大
先ほど説明しました「幼児教育無償化」によって、幼稚園は毎月2.57万円までは無償化の恩恵を受けられるようになりました。
ただ、公立幼稚園だと毎月の保育料が無償化の限度額以上となることはほとんどないはず。これなら私立幼稚園でもいいかも?となるかもしれませんね。
また、公立幼稚園といえば4歳児(年中クラス)からしかないところもあれば、預かり保育未実施の園も。
もちろん公立幼稚園でも3歳児クラスがあったり、預かり保育を行っている園もあります。
入園したら働きたい!というママにとって、公立幼稚園は少し使いづらいかもしれません。
最後に、そもそも公立幼稚園が近くにない!という可能性も。
喫茶メンバーたちもびっくりした事実。実は、公立幼稚園のあり・なしって地域差が大きいんですよ!
事実、公立幼稚園だらけの地域もあれば、公立はゼロで私立幼稚園しかない、なんて地域もあります。
もし公立幼稚園を考えているママがいましたら、まずはお住まいの地域に公立幼稚園があるのか?というところから調べてみた方が良さそうですね。
まとめ「費用の自己負担額だけで比較するなら、認可保育園が有利」
今までは保育料の負担が大きかったといわれている保育園ですが、幼児教育無償化によって立場は逆転。
無償化後において、保育料などの費用負担が軽いのは保育園という結論になりました。ただし保育園といっても、保育料の負担がなくなる認可保育園の方ですけどね。
ただ、幼稚園も(上限はあるものの)保育料の負担が大幅に減ったので、保育料の高さから避けられていた幼稚園をあえて狙ってみるのもおすすめです。