「在宅ワーク適性診断編」の記事でwebライターとしてのデビューも果たしたたこ子さん。
在宅ワークを始める上で、避けては通れないのが確定申告した方がいいの?問題です。
たこ子さん、それはまずいです…。というのも、よくわからないまま所得を無申告でいると最悪
脱税
になるんですよ。
在宅ワークを始めるにあたって、収入が多い人は当然ですがまだまだ収入が少ない人も最低限の知識は必要です。
そこで今回は、在宅ワークをはじめた方&はじめてみようかな?と思っている方に向けて
- 在宅ワーク初心者が確定申告までにやっておくべきこと
- 【働き方別】税金を払わないといけないボーダーライン
について、ファイナンシャルプランナーであるsonicが解説したいと思います。
今回お話する内容はあくまでも一般的な内容です。具体的に課税対象になるかどうか?等の判断は税務署または税理士へお問い合わせください。
主婦でも在宅ワークを始めると確定申告は必須?その理由とは?
副業としても本業としてでもおすすめの在宅ワーク。私も個人事業主として開業し自宅で仕事をしています。
しかし「在宅ワーカー=自営業者」です。会社員なら会社がやってくれていた税金の計算や納付(=源泉徴収)も、自分でビジネスをやるならすべて自分でやらないといけません。
その税金の計算~納付までの手続きが「確定申告」です。
会社員やパートのようにお給料をもらう形で仕事をしていると、税金は勝手に天引きされて払っている(=源泉徴収)というように思えてきますが、実はこのやり方が特別なだけ。
実際は自分で税金の額を計算して(課税される状況なら)自分で税金を納めなければなりません。当然のことながら課税所得があるのに申告していなかったら脱税と見なされてしまうのです。
在宅ワーク初心者が初めての確定申告に向けてやるべき3つのこと
①売り上げ・経費の記録をつけよう
確定申告をする・しないにかかわらず、売り上げや経費の証拠を残しておくなど記録をつけておきましょう。
いざ確定申告するときに「領収書がない!!」となれば後悔するはず。(※あるあるです)
確定申告する・しなくてもいいにかかわらず必ず証拠は保存しておくクセをつけておきましょうね。
②税務署に開業届を提出しよう
そんなことはありません。税務署へ行き開業届を書いて提出するのはものの10分くらいであっさり終わります。
ちなみに開業届と一緒に青色申告承認申請書も一緒に提出してしまった方がいいですよ。
青色申告承認申請書を開業届と同時に提出してしまった方がいい理由は、青色申告だと使える控除額が大きい点にあります。ここで控除額を比較をしてみました。
その他にも、青色申告だと赤字になっても繰り越せるという特典があります。開業当初は収入より経費の方が多くなってしまうこともありますよね?
なので、例え赤字でも青色申告なら確定申告をした方が絶対にお得なのです。
(※ちなみに青色申告は、事業所得以外では不動産所得や山林所得でも使えますが雑所得では使えません。青色申告についての詳細は国税庁のページをご覧ください。)
気持ちは分かりますけどね(笑)ダメです。
ちなみに国税庁によると、青色申告承認申請書の受付期間は以下のとおりとなっています。
例えば1年の途中で開業届を出したとします。そしてその年の収入はどうなるかわからないから12月末まで様子を見よう!という場合。
いざ確定申告時期になった時に「あ!やっぱり青色申告の控除使わないと税金が高くなる…!」と思っても遅いわけです。その時点で青色申告の申請書を出しても翌年分からの適用になります。
なので、開業届を出すなら同時に青色申告承認申請書も出してしまうのが一番!
「freee」は簿記の知識がない方でも、手軽に使えると評判の会計ソフトです。
- 屋号が必要となる場面がないなら、屋号は記入しなくてもよいです
- 屋号を後からつけたい場合は、開業届を出し直せばOK
- 屋号を変更したい場合、行政的には手続きは不要ですが、取引先への登録変更が必要です
freeeは毎月980円~で確定申告に必要な機能を利用できます。なお、無料でお試しできるので、ぜひ使ってみてくださいね。
③確定申告をしよう
個人事業主の会計年度は1月~12月となっており、12月末に決算を行い所得を計算します。そして税金を払う必要がある人は申告期限内に税金を納付します。この一連の流れが確定申告です。
ちなみに在宅ワーカーは自宅で仕事をするので、家賃や事業にかかわる光熱費(の一部)は経費として認められています。これが家事按分(かじあんぶん)です。
例えば家賃を考えてみましょうか。家賃って在宅ワークをする・しないにかかわらず払う金額は変わらないですよね。この一部を経費として認められるとなると、節税にもなりおすすめなのです。
決まりはありません。なので在宅ワーク初心者はこの「家事按分」の按分比率で悩みに悩みまくります。(※あるあるです)
どのような按分比率で出したらいいのか?というのは事業内容等によっても異なるそうなので、詳しくは税理士さんへご相談ください。
「開業届は出すべき?」「扶養内でいける?」在宅ワーク初心者の疑問あるあるに答えます!
開業手続きから確定申告までの流れをざっとみてみたところで、そろそろ頭に「?」が浮かんでくるころではないでしょうか?
そこで、
- 開業した方がいいの?
- いくら稼いだら税金がかかるの?
の在宅ワーク初心者の疑問あるあるを解決していきたいと思います。
疑問①「会社員や専業主婦でも開業ってした方がいいの?」
ここまで開業届を出す前提でお話を進めてきましたが、そもそも開業ってした方がいいの?(=開業届を出した方がいいの?)って思った方もいるはず。
この疑問に対する答えは、「在宅ワークで稼いでいくなら開業した方がいい!」です。理由は先ほども言ったとおり、開業届を出して事業所得で申告した方が税金面でもお得だからですね。
イメージはこんなかんじです。
それに、ブロガーやwebライターの報酬は企業やクラウドソーシングからの銀行振り込みとなっていることが多いですよね。つまり、税務署にはお金のやりとりがあることを隠せないと考えた方がいいです。
なので、開業届を出す出さないにかかわらず確定申告はするべき!ということになります。
でも開業届を出した方がいいか?で迷う例外はあります。
例外その1:雇用保険に加入している会社員やパートの方
例えば、雇用保険に加入している会社員やパートの方が開業届を出した場合。今後もし仕事を辞めたとしても失業手当(失業保険)を受け取れなくなってしまいます。
例外その2:扶養に入っている方の場合
他には、配偶者の扶養に入っている場合。ちなみにこの扶養というのは社会保険の扶養(いわゆる130万円の壁)の方を指します。
在宅ワークの稼ぎが例え扶養内でいられる金額以下だったとしても、開業届を出した時点で扶養を外される健康保険組合が中には存在するのです。
以前、喫茶のメンバーに「みんなの(または配偶者の)健保の扶養基準ってどうなっているの?」という調査を行った記事があるので参考までにどうぞ。
開業届を出した時点で扶養を外される場合、自分で国民健康保険に加入しなければなりません。国民健康保険料の負担も考えると一概に開業届を出した方がいいとは限らないのです。
疑問②「稼いだ収入はいくらから税金はかかるの?」
例えば専業主婦が在宅ワークを始めた場合。税金を計算するときには誰もが使える基礎控除というものがあります。
この基礎控除を超えた所得がある場合、税金がかかるのです。
具体的には収入-経費-(青色申告特別控除を使える場合は65万円 or 10万円控除)=所得が48万円を超えた場合には所得税が発生します。
(※雑所得として申告する場合、青色申告特別控除はありません。収入-経費で計算します。)
そもそも住民税の申告ってあまりなじみがないですよね?それもそのはず。(所得税の)確定申告をすると自動的に自治体へ通知がいくシステムなので、住民税の申告だけをする人ってあまりいないのです。
ただ、これが会社員やパートさんなどのお給料をもらっている人だと話は別。
収入-経費-(控除)=所得が20万円以下だと所得税の確定申告は免除されています。
しかし、住民税の申告は免除されていないのでしなければなりません。
つまり、所得が1円でもあるのに(住民税を)申告しなければ申告漏れとなります。
以上、課税ボーダーラインをまとめてみました。(注:収入ではなく「所得」です)
【働き方別】在宅ワークで稼いだ「所得」は何円から税金がかかる?
所得税 | 住民税 | |
---|---|---|
専業主婦 | 48万円 | 自治体の規定による |
給与所得者 (会社員・パート・アルバイト) | 20万円 | 自治体の規定による |
お金の話はどうしても苦手という方は、税理士に依頼することも検討を
喫茶のメンバーにも確定申告までの流れを紹介したところ、「マネーフォワードクラウド確定申告に登録したよ!」という人もいれば「・・・。(話についていけません。)」という人も正直いました。
一度やってみると、記帳したり確定申告書類を作成することはそこまで難しくありません。特にマネーフォワードクラウド確定申告などの会計ソフトがあれば初心者でもなんとかなります。
でも本当にこういったお金の話が苦手という方いますよね。その場合は税理士さんに依頼するのもアリです。
特に間違って税金を少なく申告し税務署から間違いを指摘された場合、あとから延滞税というペナルティを課されることがあります。
(故意にやったらもちろんいけませんが、例え悪意なくやってしまったとしてもペナルティはあります。)
さらに「あれ?これは経費になるの?」などと調べている時間がもったいないです。
特に初めて確定申告する場合はあまりよくわからないことも多いので、結構な時間を調べる作業に費やします。(※あるあるです)
- 確定申告のことを勉強してみたけれど結局よくわからなかった!(泣)
- 調べる作業に時間を使うくらいならその間に稼いだ方がいい!
という方は迷わず税理士さんに依頼することをおすすめします。
依頼先を探す方法としては、お近くの税理士事務所を探すのもいいです。ただ、税理士さんにも得意分野などがあります。
大切な事業のパートナーとなる税理士さんなので、じっくり比較して信頼できる税理士さんを探したい!という方は、税理士ドットコムなどの税理士紹介サービスを利用するのも手です。仲介を挟むと、相性が合わないと感じた時のお断りもしやすいですよ。
何よりも安心感が全然違うので、不安な方は最初から任せてしまうことを全力でおすすめ!確定申告だけなら意外とお安くやってもらえるし、顧問料の支払いよりも節税効果が大きくなる可能性も十分あります!!
在宅ワークの確定申告に向けた準備まとめ
在宅ワーク初心者だからこそ始めからきちんとやっておきたいのが会計処理です。
特にブロガーやwebライターなどの仕事は在庫を抱えなくて済むので、会計処理はそこまで大変ではありません。
確定申告の時期になって「領収書がない(泣)」とか「税金が高すぎる(泣)」などといったことで泣くことがないよう、在宅ワークを始めたときからお金の管理は意識していくといいですよ!
在宅ワーク初心者には、まだまだ知っておかないといけないことがあるようですね。
ということで次回は「在宅ワーク初心者におすすめの事業用クレジットカード」についてご紹介したいと思います。