以前の記事で、ペットシーツを使って車酔いの子どもの嘔吐からチャイルドシートを守る作戦を紹介しましたが、ようやく子どもを乗せて遠出する機会ができたので、検証を行いました。
結論から言うと、この作戦は「全面的にはおすすめすることができない」という結果になってしまいました。
お詫びの意味も込めまして、この記事では検証結果を包み隠さずご報告いたします!
2018年9月、子どもを乗せて検証を実施!
チャイルドシートの装備
以前の記事で紹介した通り、チャイルドシートにはペットシーツを4枚敷きました。
ちなみに、ペットシーツは100均のものを使いました。
子どもを乗せた行程
行程は自宅から遠方の義実家まで、走行時間3時間弱、休憩時間も含めた総時間5時間程度の長丁場でした。
前半は途中で子どもが眠ったので合計2時間ほど一気に走って休憩、後半は昼食後に子どもが起きていて酔った様子が見られたので、20分走行、休憩、20分走行で義実家到着。
はい、今回吐かずにたどり着けてしまいました!
車酔い自体を防止する作戦が効いた!
チャイルドシートを汚れから守ることも大切なんですが、子どもの気持ちを思えば車酔い自体を予防することの方が大切ですよね。
というわけで、今回もガチガチに車酔い防止作戦を展開しました。
出発時間は朝食から2時間経った10時頃。出発してからすぐ、窓の外を見せながらひたすら話しかけ、極力外を見せました。もちろん車中のテレビやスマホはなしです。
子どもは楽しそうに外の景色を見ながらおしゃべりして、50分ほどで寝てくれました。おかげであまり気持ち悪い思いをさせなくてよかったです。
それから1時間あまりで子どもが起きたので、サービスエリアで休憩と昼食を取ってから30分程度遊ばせ、おそるおそる後半戦突入。
食事後で起きているという悪条件の中、やはり20分程度で気分が悪そうな様子があったので、コンビニで途中休憩してなんとか吐かずに目的地に到着できました。
チャイルドシートをペットシーツで守る作戦の問題点
今回、汚れ防止については検証できませんでした。
でも、子どもを乗せて長距離を走ってみたことで、ペットシーツ作戦の弱点が判明しました。
ペットシーツの耐久性の問題
子どもをチャイルドシートに座らせるときに擦れるせいか、ペットシーツ四辺の接着が剥がれてしまいました。
剥がれるたびに交換するのはコスパが悪いですよね。
さらに、ペットシーツの中から細かい粉末が出てきたため、吐いていないのに掃除の手間が増えました。粉末の安全性も気がかりです。
ペットシーツのズレの問題
チャイルドシートの形状が平面ではないため、形状に沿ってペットシーツを縦や斜めに敷いています。
そのためか、子どもを座らせるたびにペットシーツがズレました。
そのたびにすき間なく敷き直すのは正直めんどくさかったです。
子どもの好みの問題
ペットシーツが気に入らなかった子どもが、頭の周辺に敷いていたペットシーツをつかんで投げ捨ててしまいました。
そのため、結果的にチャイルドシート全面をガードできなくなりました。
ちなみに、お洋服の汚れ防止にお食事エプロンをつけてもらおうとしましたが、お食事エプロンも「イヤ!」と言われました。
破れたペットシーツから出てきた白い粉末って何?
上にあげた3つの弱点の中でも、いちばん問題なのは1つ目のペットシーツの耐久性の問題です。
特に気になるのは中から出てきた白い粉末の正体。
粉だらけになった車内の掃除の問題もありますが、それ以上に安全性が気になります。
粉末は繊維状や綿状ではなく、ザラザラした砂粒状だったので、ペットシーツの表面の繊維ではなく、中材の高分子吸収材(高吸収性ポリマー)だと推測しました。
ちなみに、今回使った製品ではありませんが、ペットシーツメーカーのサイトの「よくある質問」を見ると、吸収材の成分名は記載されてはいないものの、中身の吸収体が出てしまうような使用の仕方は想定していないこと、万が一中身を食べてしまっても通常は便と一緒に排泄されることが分かりました。
これで食べても大丈夫なことは分かりましたが、散乱した粉末を吸入した場合や皮膚についた場合についてはわかりません。
ペットシーツの袋にも成分名の記載はありませんでしたが、検索すると紙おむつや生理用品の吸収材には一般的に「ポリアクリル酸ナトリウム」という成分が使用されていることが分かりました。
これは化粧品の添加物(増粘剤)としても使用されているとのことで、皮膚につく分にもそれほど心配はなさそう。
吸入した場合については念のため、製品安全データシート(MSDS)を見てみました。
吸入した場合の症状は「咳」とあり、「警告:吸入長期または反復曝露による障害のおそれ」の記載があったので、吸入したからといってすぐにどうこうなるわけではなさそうだけど、あんまり日常的に触れたいものではないと思いました。
ペットシーツが破れてなければ吸入することもまずないので気にしないんですが、破れて粉末が出てしまうとさすがに少し気になってきます。
結論:破れたときに粉末が出てくるペットシーツは使えない
以上をまとめると……
- 破れたときに吸収材の粉末が出てくるペットシーツを使うと、車内に散乱した粉末を掃除する手間が増える
- 車内に散乱した粉末を吸入することによる身体への影響も可能性としては考えられる
総合的に考えると、チャイルドシートが嘔吐物で汚れたときに洗濯するくらいの手間なんて、粉末の掃除の手間や吸入の問題に比べると、たいしたことはない!
というわけで、破れたときに粉末が出てきてしまうペットシーツはチャイルドシートには使わないと決めました。
再考:嘔吐からチャイルドシートを守る方法
それでもやっぱり、チャイルドシートカバーの洗濯はめんどくさいんですよ。
泊まりや長距離運転の場合は、汚れたチャイルドシートカバーをすぐに洗濯できない可能性がどうしても出てきますが、汚れたまま子どもを乗せるのは、子どもの気持ちを考えるとなるべく避けたい。
汚さないで済むならやっぱり汚したくないんです!
そこで、再度チャイルドシートを嘔吐から守る方法を模索してみました。
破れても粉末が出てこないペットシーツ
今回の検証で粉まみれになった私、すぐに喫茶で相談しました。
再検証:てるこま編
というわけで、てるこまさんにも検証をお願いしました。結果は以下の通りです。
- ペットシーツを切って振る
⇒砂状の粉末は出てこなかった - ペットシーツを中材の層ごとに剥いで振る
⇒多少繊維が出てきたけど砂状の粉末は出てこなかった - ペットシーツを激しく揉んだ後に切って振る
⇒揉んでいる時も振っているときも砂状の粉末は出てこなかった - 粉末が出ることを意識して、③のペットシーツの切り口を重点的に強い力で揉み込む
⇒シーツのエンボス加工が剥がれて砂状の粉末が出てきた。粉末が出ることを意識して見ているから認識できるという印象。
白く写っているものはほとんどが繊維状で、てるこまさん宅のペットシーツは私が使ったものよりも砂状の粉末が出てきにくい印象を受けました。
再検証:TsumuRi編
たまたま別のメーカーの100均ペットシーツも車に積んでいたので、義実家からの帰り道にチャイルドシートに敷いてみました。
緑色のものは粉末が出ることもなく、ペットシーツの四辺の接着が剥がれることもありませんでした。
一言で100均ペットシーツと言っても、中身にはかなり差があることが分かりました。
結論:粉末が出にくいペットシーツもある
再検証により、ペットシーツから出てくる粉末の量には製品によって大きな違いがあることがわかりました。
この結果から、最初の記事には注意書きを追加することになりました。
参考:高分子吸収材不使用のペットシーツ
砂状の粉末の正体は高分子吸収材なので、「高分子吸収材を使用していないペットシーツ」がないかも検索してみました。
検索ワードは「ペットシーツ ポリマー 不使用」「ペットシーツ ノンポリマー」あたりです。
結果、あるにはあったけど廃番になっており、Amazonでも入荷未定となっていました(2018年9月時点)
入手できれば試したかったんですが、残念です。
防水シーツ・おむつ換えシート
そういえばわが家には赤ちゃん時代に使っていた防水シーツや、持て余しているおむつ換えシートが何枚もあります。
防水シートはもちろん防水、おむつ換えシートは製品によっては防水加工されています。
防水シーツはベビー布団に付属していたもので、サイズが90×60センチ。おむつ換えシートのサイズは製品によりますが、わが家のものは60×45センチくらいかな。
サイズ的にチャイルドシート全体を覆うことはできないし、吸水性も期待できないため、吐いたときに特に液体がたまりやすい下半身部分を中心に敷きこんで、その上からバスタオルでチャイルドシート全体をカバーするようにしてみようかなと。
ただしこの作戦、洗濯物の量は減りません。
でも、遠出ですぐに洗濯できない時でもチャイルドシートはそのまま使えると思われるので、多少は気が楽です!
お詫び
最後になりましたが、以前の記事内で未検証のペットシーツを使う方法を紹介したことで、試された方にはお掃除のお手間やご心配をおかけしてしまったことを心よりお詫び申し上げます。