前回記事では、子育て中の主婦が在宅ワークしたい理由や、在宅ワークの魅力について喫茶メンバーの中で出た意見をまとめました。
子育て中のママが家にいながら収入を得ることができるって、ほんとにいいことづくめ!!
みんなの話を聞いて、
と思って、かなり前のめりになっていた私ですが…。
子育て中のママみんなにとって「在宅ワークは最強!」と思っていたんですが、ここにきて在宅ワークのデメリットや会社員のメリットも捨てがたいという話に…。
本格的に始めようと思っている今だからこそ、みんなが感じている「在宅ワークのデメリット」が気になったので、詳しく聞いてみることにしました。
<登場するメンバーのステータスおさらい>
収入が不安定だからあてにできない
「あくまで私のやってるブログアフィリエイトに関してだけど、在宅フリーランスのデメリットだと感じていることは、
- 職業としては、まだまだ胡散臭さがある
- 収入が不安定なので家計のあてにするのは怖い(と私は思う)
- 先行き不安
などなど、意外とあるよー💦」
あと、家買ったときに私の会社員のお給料もあてにしてローン組んでるんだよね。マイホームのランクを落としたり(安い土地に狭いおうち)、生活の質を落とすくらいだったら外で働いたほうがいいなと思って。」
現在共働きの収入で家計を回しているという状態なら、妻が会社員を辞めて収入の不安定なフリーランスになるのは、確かにハードルが高そうです。
会社員として外で働きながら家事や育児もして、さらに副業としての在宅ワークで収入の基盤を築くのはどう考えてもハードワーク😣
一方、現在の立場が専業主婦なら在宅ワークで得た収入は『+α』として考えられますし、家にいる時間が長いのですきま時間をみつけて始めやすそうです。
会社員ワーママが感じる、在宅フリーランスのデメリットとは?
現在会社員のワーママが在宅フリーランスになることのデメリットは、「収入の不安定さ」以外にもありそうなので詳しく聞いてみました。
特にお子さんがいる場合は、会社員だと自分の社会保険の扶養に入れられるけど、自営業だと自分もそうだけどお子さん1人ずつ健康保険に加入しないといけないですよね?なので、健康保険料が家族分かかるというデメリットもあります。」
ただイデコは元本保証型の商品もあるにはありますが基本的に投資なんですよね。あと老後まで受け取れない。ここらへんのデメリットも知っておきたいものです。」
確かに雇用保険はありがたいよね。あと産休育休時の手当も!妊娠中や新生児期にお金が入ってくるのはホントに助かるもんね。」
フリーランスだと自分で動かないと情報が入ってこないし、講習会や資格試験の費用も自腹だよね。経費として処理したらいいかもしれないけど、講習会の日は仕事ができない=稼ぎが発生しないから、もしかすると自己投資を諦めないといけない場面もあるかもしれないって思ってるよ。」
会社員ワーママがフリーランスになると、出費が増えたり貰えるお金が減ってしまったりするデメリットもあるようです。
在宅ワークで会社員の給料と同じだけ稼げたとしても、家計としてはお金が減ってしまう可能性があります。
そこで、sonicさんにファイナンシャルプランナーの視点からのお話を、もう少し詳しくお伺いすることにしました。
FPのsonic先生に聞いた!会社員がフリーランスを目指す場合に考えるべきお金の話
一例として、会社員の明細がこうなってるとします。
<とあるワーママの給料明細より>
基本給 | 200,000円 |
---|---|
控除額 | 健康保険:9,900円 厚生年金:18,300円 雇用保険:600円 所得税:3,225円 住民税:7,200円 |
差引支給額 | 160,775円 |
この方がフリーランスになるとこうなります。↓
会社員 | 自営業 | |
---|---|---|
収入 | 200,000円 | 200,000円 ※経費を除いた額 |
健康保険料 | 9,900円 | 15,539円 |
年金保険料 | 18,300円 | 16,340円 |
雇用保険料 | 600円 | 0円 |
所得税 | 3,225円 | 4,108円 |
住民税 | 7,200円 | 9,058円 |
手取り額 | 160,775円 | 154,955円 |
(正確には、税金は百円未満は切り捨てで計算されます)
具体的には以下のような手当ですね。
- 厚生年金
- 傷病手当金
- 出産手当金・育児休業給付金
- 失業手当(失業保険)
厚生年金
厚生年金に加入していると、老後にもらえる年金の受取額が増えるのです。
なお、老後にもらえる老齢厚生年金の受給額は収入によっても変わります。
フリーランスの場合は厚生年金にあたる部分がないので、代わりに個人型確定拠出年金(iDeCo)や国民年金基金などに加入して、老後に受け取れる年金額を増やす工夫をするといいですよ。
厚生年金の被保険者が亡くなった場合、遺族は遺族厚生年金を受け取ることができます。
遺族厚生年金は、会社員夫婦のあいあいさんが行った保険見直し相談の記事を参考にしてください。
また障害状態になった場合、国民年金の方は障害等級が1~2級まで保証されますが、障害厚生年金だと障害等級の範囲が3級まで拡大されます。
傷病手当金
傷病手当金とは、業務外の病気やケガにより働けなくなった場合に健康保険から支給される手当のこと。連続して4日以上働けなかった場合、4日目から最長1年6ヶ月間支給対象となります。(最初の3日間は待機期間)
フリーランスにとって傷病手当金に代わる制度はありませんので、所得補償保険などの民間の保険に加入しておくと万が一の収入ダウンにも安心です。
出産手当金・育児休業給付金
現在会社員の方が、お子さんを妊娠・出産をする場合には出産手当金や育児休業給付金を貰うことができますが、フリーランスになると貰うことが出来ません。
なお、厳密には以下のような違いがあります。
- 出産手当金は健康保険組合から支給される。
- 育児休業給付金は雇用保険から支給される。
※ちなみに健康保険に加入している人(または扶養者)がもらえるのは出産育児一時金です。
ちなみにさきほど登場した、とあるワーママの場合いくらもらえるのかシミュレーションしてみたところ…
出産手当金 | 435,806円 |
---|---|
育児休業給付金 | 1,183,650円 |
このような結果となりました。
失業手当(失業保険)
当たり前ですが、フリーランスは雇用保険に入れないので仕事がなくなっても失業手当はもらえません。
- 退職金(ただし退職金制度のある企業に限ります。)
- 労災保険(仕事中にケガをした場合でも、会社員なら補償されます。)
- 健康診断の費用(健康は大事!!)
- 健康保険組合から付加給付(医療費の補助がある組合もあります。)
この制度は教育訓練給付制度(一般教育訓練)ですね。こちらのユーキャンのサイトで分かりやすく説明されています。
会社員として働いた期間(雇用保険の被保険者であった期間)が通算1年以上あれば、受講した講座の費用が一部返ってきます!
(以前、この制度を利用したことがある方は、雇用保険の被保険者であった期間が3年以上必要です。)
対象の講座には、気象予報士や介護福祉士、保育士なんていうのもありましたよー!そして、ファイナンシャルプランナーもw
会社員が副業をやる場合
会社員の副業としてやるなら、副業の収入はたいてい雑所得になります。雑所得となると、年間20万円以下なのか20万円以上なのか?で違いが出てきます。
副業の収入(雑所得)が20万円以上になると税金もかかりますし、確定申告をする必要があります。
やっぱり、会社員ワーママが在宅フリーランスになるには考えるべきことがたくさんありますね。
最近、個人事業主とかフリーランスという言葉をよく耳にするし私の勝手なイメージとしては、会社に縛られない自由な働き方ができてステキ!と思ってたけど、現実的には厳しい面も多くてびっくりしました。
会社員って自由はききにくいですが、その分しっかりと生活が守られているんですね。
現在会社員の場合は、会社を辞めるデメリットもしっかりと見据えたうえで、在宅フリーランスになることを考えたほうがよさそう!
なお、在宅ワークをしながら会社員のメリットも受ける方法として、企業の在宅ワークOKの求人に応募する方法もありますが、このことについては次回「在宅ワークの始め方編」でお伝えしたいと思います。
在宅ワークだと保育園に入れない可能性も
これまでは、主にお金の面での「在宅ワークのデメリット」についてお話してきました。
でも、先輩在宅ワーカーにいろいろと話を聞いていると、他にもデメリットがあるようなんです!!
在宅ワークでどれだけ収入が欲しいのかによって、子供を預けてがっつり働きたいのか、子供をみながら合間の時間で働きたいのかが変わってきそうです。
確かに、在宅ワークでしっかり稼ごうと思えばまとまった時間が必要だと思うので、日中子供が家にいると難しいのかもしれませんね。
フリーランスだと、仕事量の調節が難しい!自己管理能力が必要!
会社員だと、ある程度決まった仕事や与えられる仕事があるのでそれをこなせばいいのですが、フリーランスは自分で仕事の量を決められる分、会社員以上に自己管理能力が求められるんですね。
それに、家の中で仕事をするので、オンとオフの切り替えをしっかりつけることも難しそう。
特に、子どもを家で見ながら在宅ワークをする場合は切り替えがとても大切だと思うし、子どもがいると集中して仕事をするのは難しいですよね。
座りっぱなしの仕事が多く、自分でしっかり健康管理も必要!
それから、会社員だと健康診断が強制的にスケジュール組まれてるのが羨ましい。わたし2人目産んでからそういうの一度も受けてないんだよね。がん検診とかいかなあかんと思うけど、自分のことほんと延ばし延ばしになっちゃうー…。」
運動不足については、在宅ワーカー3人とも満場一致!w
在宅ワークできる仕事は、パソコンを使う仕事がほとんどなので体を動かす機会はほんとに減りそう!!
子どもと思いっきり遊んだり、意識的に運動を取り入れていく必要がありますね。
健康診断については、先ほど『会社員のメリット』としてsonicさんが挙げていました。
労働安全衛生法では、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」 と定められています。
そして、労働者側もしっかりと受ける義務があるんですよね。(第六十六条)
しかし、フリーランスの場合は自分で健康診断を受ける必要があります。
実費がかかるのはもちろん、みんなが言っているように健康診断って強制されないとなかなか自分では行かないですよね…。
在宅フリーランスには、健康に関しても自己管理能力が必須です!
そして、老けるという問題ww。
在宅で仕事ができることによって、通勤にかかる労力を軽減できるのは魅力ですが人の目がないとついつい気が緩んでしまうんだよね…。
家にいるとおしゃれも健康も自分のことは後回しになりがちなので、自分でしっかり意識して気を付ける必要アリです!
在宅ワークのデメリット:まとめ
在宅ワークは子育て中の主婦みんなにとっておすすめの働き方だと思っていたのですが、在宅ワークのデメリットも結構たくさんあったことに驚きました!!
みんなが「会社員がフリーランスになった場合のデメリット」だと感じていたことをまとめると、
- 収入が不安定になる
- 会社員時代に貰えたお金や保障が受けられなくなる
- 子どもが保育所に入園できない可能性がある
- 仕事量の調整が難しく、自己管理能力が問われる
- 運動不足になりがちなので、自分でしっかり健康管理が必要
などがありました!
とくに、今会社員として外で働いてて、2馬力でライフプラン組んでる場合には慎重に考えたほうがよさそうです。
でも、前回記事にもあったように、
- 転勤族でもキャリアをあきらめなくていい
- 通勤時間や仕事に行くのにかかる時間を家事や育児に充てることができる
- お母さんが常に家にいることで防災になる
- 子供の行事や体調を優先して働くことができる
- 専業主婦でありながらも、収入を得ることができる
など、在宅ワークにはたくさんのメリットがありました。
在宅ワークのメリットとデメリットをよく考えたうえで、自分や家族にとってベストな働き方を選ぶことができればいいですね。
ということで私も、在宅ワークのメリットとデメリットについて改めて考えてみました。
と思いました。
この記事を見ていただいている主婦のみなさんも一度、ご自身やご家族の状況踏まえて検討してみてはいかがでしょうか?
その上で、「やっぱり在宅ワークしたい!!」というママさん方!
次回記事では、「在宅ワークの先輩ママに聞いた!みんなが実際に稼いでいる在宅ワークとは?1万円稼げるようになるまで、どれくらいの時間がかかるのか?」などについてまとめていますので、ぜひご覧ください!!
そして、FP sonic先生が渾身の図解入りでとってもわかりやすい「パートさん×在宅ワークのお金解説記事」もリリースされていますので、こちらもあわせてご覧ください!
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